稀代の本屋 蔦屋重三郎

初めて挑んだ歴史&時代小説です。蔦屋重三郎は、喜多川歌麿や東洲斎写楽を見出し、山東京伝や恋川春町らにベストセラーを連発させた、実在の江戸ナンバーワンの出版プロデューサー。

彼は江戸の出版文化を築き、数多くの俊英を見出し、吉原を遊郭にとどまらず流行最先端の街に育てた人物です。
執筆の伏線として、週刊ポストで無署名の記事を書き散らしていた50代前半の蓄積があります(……小説だけではとても食えません)。

江戸の風俗、春画や出版事情に関してはたくさんの資料を読みこみました。白倉敬彦氏という温和にして博識の春画研究者に取材するチャンスにも恵まれました。この経験がとても大きな糧になりました。

いつしか雑誌の仕事とも縁遠くなった時、単行本デビュー作『果てなき渇望』以来ずっとかわいがっていただいている草思社、しかもずっと担当いただいている藤田博さんから「久々にオモロイことをやらかしましょう」とお声がけいただき、この作品が生まれました。

ノンフィクションの秀作、話題作が多い草思社にとっては久々の小説作品でもあります。私のために文芸作品を上梓してくださった草思社に深く感謝しております。

ジャンル: 小説
出版社: 草思社
刊行: 2016年12月21日/文庫版:2019年6月10日