四月に生まれて、春のこと

四月について、心に浮かぶよしなしごとを、
つらつらと書きならべます。
めずらしくも、連続してアップいたします。

四月は私が生まれた月です。

春は私にとって、いちばん親しみのある、
なつかしくてやさしい、どこかくすぐったい季節です。

春の歌

春をテーマにした歌では、まず万葉集で
志貴皇子が詠んでいるこの一首をあげなきゃ。

岩走る 垂水のうえの早蕨の
萌えいずる春に なりにけるかも

春の息吹、若々しさ、清冽さが見事に凝縮され、
鮮明にビジュアル化されている。

萌黄とその周囲の濃い緑、ふりそそぐ日光、
クリスタルのように輝く湧水の輝きが、
心の眼にとびこんでくる。

春もののジャケットを脱ぎ、流れおちる清水を手ですくう。
まだ冷たさが勝っているものの、そこに真冬の厳しさはない。

どこかで、まだレッスンの途中のウグイスが
「ホケ、ホホ、ホケチョ」なんて調子で
鳴いているのも聞こえてくる。

万葉仮名で書かれた「原典」をみると、
この歌はもっと春について教えてくれる。

「石激(いわばしる)」

春のもつ、若々しさとラディカルさ。
春の狂気ともいうべき、尋常ではない力強さ。

春は激しい季節。

「毛要出春尓(もえいずる)」

春が生命の誕生、芽吹きの季節だということとはもちろん、
私はこの「毛」という字句で第二次性徴を
連想してしまうのだけど、それを非難されてもなあ。
春というのは、大人になりそうで、なりきれない、
なんだかコッパズカしい季節でありますよ。

私はアラフィフというのに、
いまだに「春」のままでございます。